2020年4月に、Philipsの43型ウルトラワイド曲面モニター 439P9H1/11 を91,760円で買った。そのとき買ってすぐの感想を記事にしている

あれから6年5ヶ月たった。いまもこれが仕事のメインだ。

6年5ヶ月使っているPhilips 439P9H1/11。手前にMacBook Proを置いた現在の作業机

モニターのレビューは買った直後のものばかりで、数年後にどうなったかはほとんど出てこない。せっかく自分で当時の記事を残しているので、そこに書いた「良い点」と「いまいち」を1つずつ答え合わせする。

購入額はすべて2026年9月13日時点でAmazonの注文詳細ページから取った請求額であり、定価ではない。

先に結論:月1,192円、パネルの劣化は感じない

購入2020-04-18 / 請求額 ¥91,760(小計 ¥96,590)
使用期間6年5ヶ月(77ヶ月)
月あたり¥1,192
パネルの状態輝度・色・ドット抜けとも、気になる劣化はない
いまの位置づけ仕事のメインのまま

9万円のモニターは安い買い物ではない。ただ6年5ヶ月使って月1,192円まで下がると、判断の見え方が変わってくる。

そして6年のあいだに、もっと高いモニターを買っている。それでもメインは動かなかった。その話も含めて書く。

答え合わせ①:USB-C 1本で完結する、は崩れかけている

2020年の記事でいちばん強く推したのがこれだった。

最低限必要なコードは、ディスプレイの電源コードと、ディスプレイとMacBook Proを繋ぐコードの2本だけになります。MacBookの電源アダプターすら不要で、映像出力しながらMacBookは常に充電状態を保ちます。

6年たっても、この運用そのものは続いている。ケーブル1本で映像と給電をまかなう構成は変えていない。

ただし、最近になって電源コードを挿す機会が増えた。理由ははっきりしていて、AIエージェントを常時回すようになったからだ。処理が走り続ける時間が長くなり、モニターからの給電では追いつかないケースが出てきた。

これは2020年には想像していなかった崩れ方だ。当時の「電源アダプター不要」は、当時の使い方に対しては正しかった。モニターが劣化したのでも、性能が落ちたのでもない。こちら側の負荷が6年で変わった

モニターのUSB-C給電を選ぶ基準として言えるのは、いま必要なワット数ではなく、数年後に自分が何を回しているかのほうを見たほうがいい、ということだ。もっとも、6年前にそれを予想できたかというと、できなかったと思う。

答え合わせ②:付属Webカメラは、置き換わった

当時はこう書いていた。

MacBookについているカメラがあるのでこちらを使うことはないかなと思っていましたが、いざ使ってみると予想よりも映りが良く、また目線よりも高い位置の画角がちょうど良いので、今ではこちらをメインで使用しています。

これは6年もたなかった。2026年8月に Insta360 Link 2 Pro を38,500円で買い、付属カメラはそこで置き換わった

擁護しておくと、付属カメラが悪くなったわけではない。2020年のリモートワーク初期には十分だったものが、映像に求める水準が上がって外された、というだけだ。「モニターにカメラが付いているから別途買わなくていい」という判断は、6年スパンでは成り立たなかった。

答え合わせ③:PBP(画面分割)は、結局使わなかった

2020年に「いまいち」として挙げた1つ目がこれだった。画面を左右に分割して別の入力を出せる機能だが、MacBook側の表示が横長のまま小さくなってしまい、解像度の選択肢も出てこない、と書いていた。

6年後の答えは、解決していない。使わなくなっただ。

当時は「どうしたものか」と書いていたが、結局この機能を必要とする場面が来なかった。不満として残るものと、使わなくなって消えるものがあって、これは後者だった。

購入前に機能表を見比べて心配していた項目が、6年後に「そもそも使っていない」で終わることはある。自分の場合はこれがそうだった。

答え合わせ④⑤:解像度と重さは、慣れた

残る「いまいち」2つは、解像度(MacBookのほうが精細で、文字が粗く感じる)と、重さ(10.34kgでモニターアームの耐荷重ぎりぎり)だった。

どちらも6年たって気にならなくなった。改善されたのではなく、慣れたというのが正確なところだ。

重さについては、そもそも一度設置したらもう動かさない。設置時に一度だけ苦労する種類の欠点だった。解像度のほうは、精細さが要る作業では別の画面を使えばいいという運用に落ち着いた。

購入前に気にした欠点3つのうち、6年後に問題として残っているものは1つもなかった。ただし3つとも「解決した」ではなく、「使わなくなった」「慣れた」「運用で避けた」だ。ここは正直に書いておきたい。

1.5倍の値段のモニターを買い足しても、メインは動かなかった

6年のあいだにモニターをもう1枚買っている。

日付品目請求額
2016-07-12LG 23MP48HQ-P(23型・フルHD)¥12,383
2020-04-18PHILIPS 439P9H1/11(43.4型・ウルトラワイド)¥91,760
2022-01-27LG UltraGear 27GP950-B(27型・4K・144Hz)¥136,644

2022年に買ったLGは136,644円で、ウルトラワイドの1.5倍する。4Kで144Hz出る、スペックだけ見れば明確に上のモニターだ。

それでも仕事のメインは動かなかった。買った目的がゲームだったからだ。

4年前の自分が「解像度がいまいち」と書いていたので、高解像度のモニターを買ったら乗り換えるかと思いきや、そうはならなかった。作業画面に求めていたのは精細さではなく横幅だった、ということだと思う。

スペックが上のものを買えばメインが移る、とは限らない。用途が違うものは、値段が高くても置き換わらない。 これは6年かけてわかったことのなかで、いちばん実用的な結論かもしれない。

まとめ

2020年に書いた5項目の、6年後の状態を並べる。

2020年に書いたこと2026年の答え
USB-C 1本で映像+給電、電源アダプター不要続いているが、AIエージェントを常時回すようになって給電が追いつかず、電源を挿す機会が増えた
付属Webカメラがメイン2026年8月に外付けカメラへ置き換わった
PBP(画面分割)が使いにくい結局使わなかったので、問題として消えた
解像度がMacBookに劣る慣れた。精細さが要る作業は別画面
重い(10.34kg)設置時だけの問題だった
  • 6年5ヶ月使って月1,192円。パネルの劣化は感じない
  • 買う前に心配した欠点3つは、6年後に1つも問題として残っていない
  • 逆に、当時いちばん推した「電源アダプター不要」のほうが、自分の使い方の変化で崩れかけている

長く使うモノのレビューで先に折れるのは、欠点ではなく推しポイントのほうだった。買うときに時間をかけて比べるべきなのは、いま足りない部分より、いま便利だと思っている部分が何年もつかのほうかもしれない。