はじめに
年が明け、さまざまなところで「今年の目標」を目にする機会がありました。
Twitterではチャレンジングな目標を掲げている人も多く、自分も刺激を受けています。
一方、おや?と思う目標もありました。それらには、目標設定に重要な「あるポイント」が抜けていました。
この記事では、目標設定に重要なポイントと、それに基づいた目標の改善案について書いていきます。
目標設定で重要なチェックポイント
目標設定で重要なチェックポイント!それは
- 自分の裁量・能力でコントロールできるか
- 達成未達成が客観的に判断できるか
です。
ケース別に見る目標の改善例
それでは、さまざまな目標設定を例に、チェックポイントの確認と、目標の改善案について見ていきたいと思います。
「コーディング力の向上」
チェックポイント
- 自分の裁量・能力でコントロールできるか:○
自分自身のコーディング力であれば、なにかしらは向上させることができるでしょう。
一方、「部下のコーディング力の向上」のように他人のコーディング力向上が目標の場合は微妙になってきます。
上司のような教育や人事にある程度の裁量がある立場でも、他人にできるのは「コーディング力を向上させる仕組みを構築」することだけで、それを最後までやりることは他人がコントロールできることではありません。
- 達成未達成が客観的に判断できるか:×
コーディング力が向上したと客観的に判断できないので×としました。
修正案1
「ProgateのHTML & CSSコースを完了させる」
これなら自分の裁量でコントロールでき、達成未達成が客観的に判断できます。
修正案2
「自分のブログにコメントフォームを実装する」
こちらも自分の裁量でコントロールでき、達成未達成が客観的に判断できます。
個人的には、学習コースの完了よりもこういった開発の成果物を目標にする方が、コーディング力の向上に直接効果があるように思います。
「フリーランスエンジニアになる」
チェックポイント
- 自分の裁量・能力でコントロールできるか:△(場合による)
副業禁止の会社に勤めている方や公務員など、自分の裁量でフリーランスエンジニアになることが難しい場合はあるかもしれません。
そうでない方なら問題なく○です。
- 達成未達成が客観的に判断できるか:×
フリーランスエンジニアの定義が曖昧でしょう。
- SNSで名乗ったらフリーランスエンジニア?
- 1万円の案件を受注したらフリーランスエンジニア?
などなど。言い方ひとつで達成したことにするのは簡単そうですね。
修正案
「今年度の事業所得を100万円にする」
自分の裁量でコントロール可能で、かつ確定申告書の事業所得欄で達成未達成が判断可能な目標になりました。
ちなみに、SNSで見た意見として「目標を具体的に(この例では100万円と)設定してしまったら、達成したらそこで終わってしまう」というものがありました。
個人的には、目標達成したらもっと上を目指したくなるタチなのでその心配はないのですが、もし心配であれば目標を上方修正すれば良いです。
目標はあくまで指標。途中で絶対変えてはいけないということはありません。
自分のモチベーションをコントロールする道具として活用するのが良いと思います。
「給料を倍にする」
チェックポイント
- 自分の裁量・能力でコントロールできるか:×
多くの会社員の場合、自分の裁量で給料を倍にすることは難しいと思います。
昇級金額とプロセスが明確に定義されていて、かつ自分の裁量で達成可能な場合は○なのですが、そういった企業はごく僅かでしょう。
- 達成未達成が客観的に判断できるか:○
これが年間目標だとして、12月の月給が2倍以上になっているとか、または1年間の給与所得の合計額が倍になっているとか、客観的に判断することは可能です。
修正案
「転職して年収(契約書ベース)を1.2倍にする」
これであれば、自分の裁量でコントロール可能、かつ契約書に書かれた金額を比較すれば良いので達成未達成が客観的に判断できます。
「ダイエットする」
チェックポイント
- 自分の裁量・能力でコントロールできるか:○
- 達成未達成が客観的に判断できるか:×
このままでは、どうなったらダイエット成功なのか判断できません。
修正案
「年末(12/31)時点の体重が60kg」
これで、達成未達成が客観的に判断できるようになりました。
ちなみに、目標値だけでなくマイナス5kgなどという変化する値も同時に設定しておけば、達成率も測ることができます。(変化する値だけだと、いつ時点から比較した値なのか曖昧になるのでNGです)
「筋トレを継続する」
- 自分の裁量・能力でコントロールできるか:○
- 達成未達成が客観的に判断できるか:×
なにをもって継続できたとするか、これは人によってさまざまです。
- 週に1回運動をすれば継続できたとするのか?
- その1回は腕立て伏せ1回でも運動したことになるのか?
など、曖昧さがあります。
修正案
「ジムで30分の運動を週1回する」
これで、客観的に判断することができるようになりました。
週次目標なので、毎週達成未達成が評価できます。
その他、目標に関するあれこれ
ここまでの例や修正案で、重要なチェックポイントをクリアできるようになった場合は、追加で以下のようなことを意識するのがオススメです。
目標は目的と紐づける
目標が、自分のやりたいこと・人生の目的・事業の目的と紐づいているか意識します。
私は現在会社員と個人事業主をしていますが、ある年、個人事業としての目標に「売上前年比○%」というのを掲げていました。
「売上前年比○%」というのはいかにもちゃんとした目標っぽいので錯覚していたのですが、もともとの個人事業の目的は技術力の向上。売り上げがいくらであるかは本来は追わなくても良い数字でした。
目標は人と比べず過去の自分と比べる
たとえばフリーランスのデザイナーAさんとBさんがいたとして、
- Aさんの目標は年商1,000万円
- Bさんの目標は年商100万円
だからといって、かならずしもAさんの方が高い目標を設定しているとは限りません。
年商ではなく利益はどうか。専業フリーランスか副業か。独身か子供がいるか。そもそもの能力や特性の違い。。など、バックグラウンドは人それぞれです。
本当に比べるべき相手は過去の自分です。
去年、年商100万円だったBさんが今年は年商200万円になれば、前年と比べて2倍成長したと言うことができます。ここで、他人であるAさんの年商1,000万円は比較対象としてあまり意味がありません。
過去の自分のデータと比較して、どれくらい成長したいかという気持ちを加味して、自分を奮い立たせる目標設定ができると良いですね。
目標は高い方が良い?
目標は高ければ高いほど良いかというと、そうでもありません。
過去の自分と比較して少しでも改善する目標であれば、他人と比べて低い目標であってもまったく構いません。
ちなみにこのブログは昨年2020年「月に1回ブログを更新する」という低い目標を無事達成できたのですが、ブログは自分のメインの事業ではないので、目標が低くても問題ありません。
目標を早めに達成してしまった時は?
目標を早めに達成してしまった時は、次の目標を設定しましょう!
1度立てた目標は変えてはいけないというルールはありません。
達成できそうにないからちょっとずつ目標を下方修正していくというのはどうかと思いますが、家庭事情などでそうせざるを得ない場合もあるかもしれません。
常に目標を確認し、必要に応じてアップデートしていくのがオススメです。
期限は細かく
期限はできるだけ細かく設定するのがオススメです。
たとえば10年後にウェブデザイナーの賞を取るという目標を立てたとしても、10年後なんてどうなっているかは誰にも予想できないし、もしかしたら10年後にはウェブデザイナーという職業自体がなくなっているなんてこともあるかもしれません。
10年とはいわなくても、年初に1年の目標を立てたのに、次に目標を確認するのが年末、、なんて方もいるのではないでしょうか。
日次・週次・月次のようになるべく短いスパンで目標を立てることで、
- 目標を確認する頻度が上がる
- 細かい達成を積み上げることでモチベーションが上がる
といった効果があります。
終わりに
以上、目標設定で重要なチェックポイントや、目標設定に関する心構えなどについて書かせていただきました。
私は会社員としては管理職になって今年で8年目。
自部署やチームメンバーの目標について考えることも多いので、自分やチームを導いてくれる良い目標を立てられるようになりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。